こんにちは!KEA at home 事務局です。
KEA at homeのコラムでは、子ども達が伸びる声かけや、子育てに役立つ情報などをご紹介していきます。
KEA at home 第7回コラムも、引き続き子育てコーチングをご専門とする、
江藤真規先生のコラムをご紹介します。
「ついつい言いすぎてしまう…。 子どものプレッシャーにならない期待の仕方とは?」
「ついつい言いすぎてしまう」理由とは? 今どき社会の親の置かれた状況
物事は全て表裏一体。
一つの現象に対して、良い見方もあれば、悪い見方もできます。
子育てもそう。
最近どうもうちの子、元気がないみたい…。
一つのこの現象に対して、親はあれこれ考えます。
・私が叱りすぎているかな?
・友達とうまくいっていないかしら?
・新しい先生が合っていない?
子どもには育つ力があるのですが、
「失敗をさせないように」と思ってしまうと
ついつい転ばぬ先の杖をついてしまいます。
ここは、意識して
「かわいい子には旅をさせよ」マインドをもって
子どもを見守る姿勢を意識したいものです。
しかし、なぜ親は「失敗させないように」と思ってしまうのでしょう。
もちろん、子どもが大切で、可愛くて…というのもあるでしょうが、
もう一つ、育児書等にて頻繁に紹介される子育ての知識が、
子育て中の保護者の方々を苦しめているようにも思います。
かつては地域社会で他児を見る機会がたくさんありました。
・子どもなんて、皆わがままを言うもんだ
・今泣いていても、そのうち機嫌がなおるはず
・小学校に上がれば、皆できるようになる
他児を見て、我が子のこの先の見通しがたてられれば
不安はかなり軽減されます。
しかし、今の社会にはそれがなく、
一方的に発信される情報を受け取るのみ…。
そこに書いてある
「◯歳児のあるべき姿」
「親としてのあるべき姿」を見すぎてしまえば、
当然不安が沸き起こってしまいます。
そして、そこから始まるのが、
不安から始まる「言いすぎ」現象。
「どうしてできないの?」と
ついつい、ガミガミ言いすぎてしまう…という現象です。
背景には、我が子の子育てなのに
見知らぬ誰かからの知識・考えに
縛られ過ぎてしまっている状況もあるように感じます。
「親の期待」っていけないの?
今どきの社会にある、複雑化した子育てには、
「やってはいけない」がつきものです。
「叱ってはいけない」
「褒めすぎてもいけない」
「叱ってもいいけど、怒ってはいけない」
確かに、全てその通りなのですが、
これでは何をやってもいけないように感じてしまいます。
やってはいけない…として、
「期待し過ぎてもいけない」
こんなことも言われるようになりました。
背景には、追い詰める親から受ける弊害があるのでしょう。
確かに、子どもの気持ちや思いを全く尊重せず、
全てを親がコントロールしてしまうことはよくありません。
しかし、お子さんを最も良く知っているのは親御さんでしょうし、
子育ての方針も親が決めていくものです。
子どもの幸せな未来を想像し、
こうなって欲しい…と願うこと、
つまり、子どもに期待すること自体は全く悪くはないのです。
実際、人は期待されるから、
その期待に応えようと頑張ることができますし、
期待されることにより、視野が広がり
新たな世界が見えるようにもなります。
期待も適度なものなら、
子どもにとってよい刺激となるということです。
行きすぎず、適度な期待に保つための工夫
いい塩梅、いい加減という言葉があります。
何にせよ、行き過ぎは禁物。
適度な量を保つことが重要です。
子どもへの期待を、適度な量にするための工夫として、
以下の3つをご紹介しましょう。
・まずは子どもの気持ちを尊重し、受け止める
・ 子どもをよく見る
・「伝え方」を工夫する
・まずは子どもの気持ちを尊重し、受け止める
「子どもの気持ちを尊重する」は、子育てにおいて
恐らく一番重要なこと。
自分の気持ちが大切にされなければ、
いくら「あなたのため」と言われても、
大きなお世話となってしまいます。
子どもの気持ちと、親としての思いが異なる場合でも、
「この子はどう感じているんだろう」という視点を持ち、
「あなたは、そう考えているのね」と
まずは子どもの気持ちを受け止めましょう。
親の気持ちを伝えるのはその次です。
・ 子どもをよく見る
まだ語彙力も、表現力も乏しい子どもは
自分の気持ちを的確に表現することができません。
また、親への気遣いから、
言いたいことを言えないケースも良くあります。
子どもをしっかりと見ましょう。
見ていれば、表情から、姿勢から、
子どもの気持ちが伝わってきます。
子どもをよく見て、子どもの気持ちを察し、
その上で、親の気持ちを伝えていきましょう。
・「伝え方」を工夫する
コミュニケーションのゴールは
「何を言ったか」ではなく
「何が相手に伝わったか」です。
子どもへの期待を一方的に熱く伝えても、
恐らく相手(子ども)には、親の真の気持ちは伝わりません。
また、どうしても伝えたいことになると、
「そうしないと大変なことになる」と不安や恐れをあおったり、
「そうしなければならない」と「べき論」で
封じ込めたりすることもあるでしょう。
しかし、これでは子どもは自分の気持ちや感情に蓋をし、
親には何も言わなくなってしまいます。
やはり、親の気持ちは伝わりません。
親の願いは、
「お母さんはこう思うの」
「お父さんはこういう世界が好きだな」と、
そのまま伝えることが大切です。
その上で、お子さんはどのようなことを考えているのか、
「あなたはどう思う?」と、
思いを引き出すサポートをしてあげましょう。
子どもなりに自分の気持ちを示すことができれば、
コミュニケーションは双方向となり、
親の気持ちも子どもに届きやすくなるはずです。
今の社会、子育てにはいろいろな難しさがありますが、子どもには育つ力があります。
そして、子どもとともに親力も日々更新されているはずです。
ご自身を信じて、
お子さんを信じて、
より良い未来を創造していってください。
記事執筆
KEAプログラムコーディネーター
江藤真規
https://saita-coordination.com/
株式会社サイタコーディネーション代表取締役
(サイタコーチングスクール主宰)
博士(教育学)
アカデミックコーチング学会理事
公益財団法人民際センター評議員
一般財団法人教育振興財団理事
コメント