教育コラム 「子どもの“わからない”にどう対応する?」

教育コラム

 

こんにちは!KEA at home 事務局です。

この度、国際都市神戸でInternational Preschool として実績のある、Kobe English Academyを母体として、KEAのオンラインスクール”KEA at home”をスタートすることに致しました。場所や時間に制限されることなく、子ども達が学べる環境を提供することを目的に、日本各地だけではなく、アジア、世界の中で、第二言語として英語を学ぶ子ども達がクラスメイトとなるようなスクールを目指しています。
KEA at homeのコラムでは、子ども達が伸びる声かけや、子育てに役立つ情報などをご紹介していきます。

 

KEA at home 第11回コラムも、引き続き子育てコーチングをご専門とする、
江藤真規先生のコラムをご紹介します。

社会の変容に伴い、 子どもたちの教育にも変化が起きてきています。

 

正解のない時代を生きるには、

知識の総量以上に、

子どもの思考力や表現力等が必要ということ。

 

分かりやすいところでは、入試問題でも

子どもたちの考えが問われる問題が増えてきています。

 

当然、親御さんが子育てで重点を置かれる部分にも

変化が表れてきています。

 

「〇〇しなさい」という指示命令から

「あなたはどうしたいの?」という質問へ。

「これはこうなるのよ」と解を示すのではなく、

「どうなっているのかな?」という質問に。

 

特に、「これからの教育」にアンテナを張り巡らせていらっしゃる方には

上記のような取り組みをされている方が多いことでしょう。

これらは、子どもを尊重した関わり。

実際、思考力や表現力等を身に付けるには

これらの質問は大いに機能します。

 

ただ、いきなり何かを問われても、

子どもは答えられず、

「わからない」となってしまうことも多々あるはずです。

 

子どもの「わからない」を減らし

子どもが楽しく考えられるようにするためには、

どうしたらいいのでしょうか。

ここでは、子どもの「わからない」を減らすための3つの「質問の前提」をご紹介します。

 質問の前提

質問を機能させるためには、以下の3つの前提が必要です。

①相互の信頼関係ができていること

②考えるだけの材料(経験)が備わっていること

③表現するための言葉を知っていること

 

一つずつ見ていきましょう。

 

①相互の信頼関係ができていること

 

誰に質問されるかによって、

自分の中から出てくる言葉は変わります。

正しいことを言わねばと、

優等生になってしまうこともありますし、

叱られないようにと、

本心とは異なることを話してしまうこともあるはずです。

正しいかどうかが不安で、

「わかりません」と答えることだってあるでしょう。

 

自分の本音を話すためには、相手との信頼関係が必要です。

「この人は自分のことを受け入れてくれる」

「自分のことをわかってくれる」

相手に対してこのような信頼があり、

「ここは自分の安全な居場所である」

こう思えた時に、人は心を開くことができるものです。

 

・いい子でいなければいけない

・本音を話したら怒られる

 

もしも、このような思いがお子さんの中にあれば、

 

まずは「わかってあげる」ことから始めましょう。

子どもの話を聴くことを、まずは意識してみましょう。

 

しっかり聴いてあげた後には、

きっと子どもは安心して、

自分の考えを発することができるはずです。

質問を機能させるための大切な前提です。

 

②考えるだけの材料(経験)が備わっていること

 

「あなたはどう思う?」

この問いに答えるには、

「どう思うか」その材料が必要です。

 

材料とは、その内容自体への知識、そして自分自身のそれまでの経験です。

 

「どうしたら、次の試験で点数を上げられるかな?」

 

この問いに答えるには、

 

・勉強の仕方に関する知識

・時間の使い方に関する知識

・自分の現状の客観視

・これまでのうまくいった経験

・失敗経験

 

例えば、こういった材料が必要です。

 

何も持ち合わせない状態では、

当てずっぽで答えるしかなく、

それでは到底実践に結び付かず、

うまくいかない…という結果に終わってしまいます。

 

質問の目的は、子どもに答えさせることではなく、

考えさせることです。

 

「一緒に調べてみようか」

材料がない場合には、いっしょに見つけていくことから始めましょう。

「今まで、似たような経験したことあったかな」

過去のリソースを探すのも効果的です。

そして、材料が備わってきた段階で、質問をしてあげると良いでしょう。

 

③表現するための言葉を知っている

 

自分の思いを相手に伝えるには「言葉」が必要です。

 

子どもが話している内容が

あまりよく分からない場合、

「それって、〇〇のことかな」等、

言葉を添えていくといいでしょう。

「なんか面白そうだね。もう少し詳しく教えてくれる?」

こう問えば、きっと子どもはわかりやすく説明してくれるはずです。

 

語彙力は日常の親子対話で大きく広がります。

子どもの言っていることがわかりにくい時には、

そのままにせず、わかったつもりにもならず、

更に分かりやすい言語化を促すよう、

お手伝いをしてあげましょう。

 

以上3つの前提を見て参りました。

 

子どもの「わからない」は

その後の成長へとつながるきっかけでもあります。

「わからない」にこそ、丁寧に対応を!

お子さんの可能性はぐんぐん広がります。

 

 

記事執筆 
KEAプログラムコーディネーター
江藤真規

https://saita-coordination.com/

株式会社サイタコーディネーション代表取締役
(サイタコーチングスクール主宰)
博士(教育学)
アカデミックコーチング学会理事

公益財団法人民際センター評議員
一般財団法人教育振興財団理事

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