教育コラム「教育が変わる中、親として何をすればいいの?」

教育コラム

こんにちは!KEA at home 事務局です。

この度、国際都市神戸でInternational Preschool として実績のある、Kobe English Academyを母体として、KEAのオンラインスクール”KEA at home”をスタートすることに致しました。場所や時間に制限されることなく、子ども達が学べる環境を提供することを目的に、日本各地だけではなく、アジア、世界の中で、第二言語として英語を学ぶ子ども達がクラスメイトとなるようなスクールを目指しています。
KEA at homeのコラムでは、子ども達が伸びる声かけや、子育てに役立つ情報などをご紹介していきます。

 

KEA at home 第17回コラムも、引き続き子育てコーチングをご専門とする、
江藤真規先生のコラムをご紹介します。

社会が大きく変わり、人々のライフスタイルも変化してきています。

今ある職業の半分はなくなり、新しい職業がでてくるとか…。どうにも歯止めがかからない少子化社会における子育てには、「今までと同じではいけない」という不安がつきものです。

特に、親として気になるのが、教育の変化です。これからの時代を生きる子育てに向かうために、幼少期の子どもにはどう関わっていったらいいでしょうか。

教育の変化を期待感で見る

教育が変わるということに、不安感を抱えていらっしゃる方が多いようです。

確かに日本の教育は、今過渡期にあります。

しかし、それは決して複雑化するということではなく、学びの目的が「社会で生き抜く」にシフトしつつあるということ。

つまり、学びと実際の社会がより一層つながってきたということを意味しています。

「自分の力で」実社会を生きていける(創造していける)人を育てていこうという、シンプルな考えに基づいた教育改革とも言えるわけです。

まずは、お子さんに影響力を与える保護者の皆さまには、不安感ではなく、期待感をもって、様々な変化を見られては…と思います。

見えない未来に対して、「知らないから不安」と捉えるのではなく、「これからの社会は自分達が作っていくのだ」という当事者意識を持てば、不安が期待に変化するでしょう。

自分の不安感は他者(子ども)に伝染してしまいますし、まずは親から元気になることが、大切です。親の不安から、子どもも不安にさせてしまっては、せっかくの改革も台無しになってしまうからです。

その上で、幼少期の子どもとの関わりには、新しい感覚も取り入れていきましょう

「環境」単位で子育てを考える

今からの子育てで必要な感覚とは、「環境」単位で子育てを考えるということ。

親が何かをやってあげるのではなく、子どもが自らが、力を発揮できる「環境」とはどのようなものかを考え、その環境づくりに徹するということです。

まずは、子どもが育つ「環境」には、どのようなものがあるかを見ていきましょう。

①人的環境

子どもは周囲の人の影響を受けて育っています。

最も大きな影響を与えているのは、日常を共にする、自分を養育してくれる保護者でしょう。保護者のあり様が、最も大きな環境要因です。

望ましい親子の関係とは、相互に尊重しあい、相互に補完しあう関係です。

自分とは別人格である子どもの気持ちを尊重すること、親だけが頑張るのではなく、互いに補いあって日常生活をすすめていくことは、とても重要です。

そして、そのために子どもに役割をもたせることも大切です。

基盤となるのは親子の信頼関係であり、信頼関係を構築し続けるためには、相互のコミュニケーションを強化しましょう。

ぜひともお子さんとの対話を楽しんでください。

対話をしながら、子どもの心を開放させてあげてください。人が関わる人的環境ならでは、できることと言えるでしょう。

②物的環境

物的環境とは、子どもの育ちに影響を与える物理的環境のことを言います。

どんな玩具を準備するか、どんなプリントで学習をさせるか等、選ぶ環境によって、成果も変わってくるはずです。

例えば廃材をつかった遊びなどいかがでしょう。

遊び方が決まっていない道具を使えば、子どもの想像力は大きく開花します。

また、廃材ならいくら使ってもOK,ダイナミックな遊びが展開できそうです。SDGsの観点からの学びも大きそうですね。

更に、冷蔵庫にあるものを使ってお料理を任せる等もおすすめです。

お料理ができるまでには多様な学びがあるはずです。

想像力、やり遂げる力、立ち直る力、何より「美味しい」と言ってもらうことで、自己効力感が育ちます。

③情報環境

情報化社会を生きる子どもたちは、生まれた直後から様々なメディア・情報にさらされて生きています。

幼少期はできるだけ、情報からは離れた環境を整えたいという気持ちもよくわかります。

しかし、実際には時計の針を戻すことはできず、子どもたちはあらゆる場所で、情報とともに生きています。

「わからないから調べてみるね」こんな言葉が、今や当たり前のように、幼少期の子ども達から聞こえてきます。

大切なのは、情報を避けることではなく、どのようにして有益、安全な情報を入手できるかという知恵を持つこと。情報リテラシーとも言われます。

実社会で生き抜く力はもちろんのこと、この先の学習においても、自ら必要な情報を得ていく力はとても重要です。

まだ幼少期だから…と、親が与えるばかりではなく、安全な環境を作ったうえで、お子さん自身が情報収集できる機会も作られるといいでしょう。

自分の人生を楽しむ

正解がない社会、未来への見通しがたたない社会を私たちは生きています。

親子の間には、優劣、上下という序列の関係はなく、家族とは、未来に向かう一つのチームとも言えるのです。

もちろん、基本的生活習慣を守らせること、しつけの観点での子育ては重要ですが、それ以外の部分では、「教えなければ」という思いから少し離れ、自分の人生を楽しむことを意識してみてはどうでしょう。

たった一回の人生です。自分の人生を後悔しないよう、全力で生きていく、このような気持ちで日々を送ることこそ、これからの時代の子育てには必要なのかもしれません。

親であり、人である。子どもはきっと生き生きと生きている大人を見ながら、大人になることを楽しみだと感じるようになるのだと感じます。

 

記事執筆 
KEAプログラムコーディネーター
江藤真規

https://saita-coordination.com/

株式会社サイタコーディネーション代表取締役
(サイタコーチングスクール主宰)
博士(教育学)
アカデミックコーチング学会理事

公益財団法人民際センター評議員
一般財団法人教育振興財団理事

コメント

お電話はこちら 078-392-7017
タイトルとURLをコピーしました