こんにちは!KEA at home 事務局です。
KEA at homeのコラムでは、子ども達が伸びる声かけや、子育てに役立つ情報などをご紹介していきます。
さて、今回は、教育コラム『ガミガミ言わずに「子どもの力を引き出す」親になる』です。
KEAのペアレンティング講座でお世話になっている江藤真規先生のコラムです。
こちらのブログは、KEA でご紹介したものになります。
(https://kobe-english-academy.com/kobe-english-academy/power/)
『ガミガミ言わずに「子どもの力を引き出す」親になる』ガミガミ言いたくないのに、つい言ってしまう。
言わないようにとこらえても、我慢できずに結局ガミガミ…。
そんな自分が大嫌い…。それでも、この悪循環を断ち切れずに悩んでしまうのが子育てです。
「ガミガミ言わないようにしよう」という意思の力だけでは、どうにもならないこの現実には、どう対処すればいいのでしょう。
ガミガミ言わずに子どもの力を引き出す工夫について考えていきましょう。
自分の気持ちを分析する
「ガミガミ言うのをやめたい」時に、まず行って頂きたいのが、自分の気持ちの分析です。
ガミガミ言ってしまう理由は一つではありません。
背景には、複数の要因が隠れているのです。
どのような気持ちが不機嫌な心を生み出しているか、自分と向き合い整理をしてみましょう。
静かな部屋で、「私は何にイライラしているんだろう」と、問いかけてみるのがおすすめです。
自分とじっくり向き合ってみると、家族と意見が合わない、仕事に疲れている、不眠続きで健康が優れない等々、子ども以外の原因が見つかるかもしれません。
すぐに解決できることがあれば、片付けてしまいましょう。
疲れているなら、早く寝る、栄養価の高いものを食べる、等です。
何かを変えるためには、小さな行動から始めましょう。
「子どもが〇〇した時にイラッとする」が見つかった時には、なぜ、自分がそのことに異常に反応してしまうのかを考えてみます。
自分がコンプレックスに感じていたことだから?
それを見ると不安な気持ちになってしまうから?何かしらの理由が見つかった後は、自分にこう話しかけてみます。
「子どもと自分は別の人間だから仕方ない」
世の中には変えられるものと、変えられないものがありますが、いくらわが子であっても、子ども(他人)の気質を変えることは出来ません。そのことに気づけば、気持ちが楽になるはずです。
ガミガミ言わずに子どもの力を引き出すためには、自分の心の内を知り、心の状態を整えることがスタートです。
伝えたいメッセージを明確にする
コミュニケーションのゴールは「相手に何が伝わったか」です。
子どもに伝えたいことが伝わらない…、このような課題を感じる場合には、「伝わらないのは相手が悪い」という考え方を捨て、「伝わる言い方」に変えなければなりません。
伝わらないからと、ガミガミ言ってしまえば、もっと伝わりにくくなってしまいます。
ガミガミから伝わるのは、「お母さんは怒っている」というメッセージだけ。
不毛な時間となってしまいます。
では、どうすれば冷静に「伝わる言い方」、つまり伝えたいメッセージを伝えられるようになるのでしょう。新しい伝え方に慣れるまでは、ちょっとした準備が必要です。
まずは、「何を自分は子どもに伝えたいのか」を事前に整理し、そして、それを伝えるための、「シンプルかつ短い表現」を探します。
幼児が相手なら、「イメージがつくようなたとえ話」があった方がいいでしょう。
「言葉の順番」も意識しましょう。
例えば、「大切なことを1つ伝えるね」「お母さんの意見を言ってもいいかな」等の前置きをすることで、子どもの意識をこちら側に向けることができるようになります。
更に、伝えっぱなしではなく、「あなたはどう思う?」と、「双方向のやり取り」にすれば、子どもの納得感が高まります。
もちろん、子どもから反発の意見が返ってくることもあるでしょう。
そんな時には、「あなたはそう思うのね」と、共感的に受け止めます。
一回で伝わることは期待せず、ゆっくり時間をかけて、丁寧に伝えていきましょう。
そのプロセスにも、大きな価値があるはずです。
子どもの力を引き出す2つのステップ
最後に、子どもの力を引き出す工夫を考えてみましょう。「子どもを認める」⇒「子どもに質問をする」の、2つのステップが効果的です。
子どもは好奇心が旺盛であり、行動力にも優れていて、故にいろんなことをやってくれます。中には、親にとっては迷惑なこともあるかもしれませんが、子どもの行動には、皆意味があるのです。
頭ごなしに否定するのではなく、子どものとった行動には、一旦は認める姿勢が大切です。
「〇〇をやってみたんだね」という具合です。
「すばらしい」「よくできた」と、同感したり褒めたりするのではなく、事実を言葉にしながら「認める」ということです。
また、自分のことは、自分にはわからないもの。
子どもの良いところを見つけて、「あなたの、こういうところが素敵だね」「あなたらしいね」と、子どもに伝えることも良いでしょう。
おだてるでもなく、褒めちぎるでもなく、子どもを認めた上で、こんどは質問をしてみましょう。「あなたはどうしたい?」「あなたはどうなりたい?」等、子どもが自由に答えられる質問が良いでしょう。もちろん、子どもの答えは否定しません。
「あなたはそう思うのね」と、受け止めます。受け止めてもらうことで、子どもは、自分は大丈夫という気分になることでしょう。
自分のことを認めることができれば、力が出てきます。
誰かから認められた子どもは自分のことも認めることができるでしょう。
そして、質問に答えることで、思考の整理や自分の意見の客観視ができるようになります。
質問をされることで、向かう方向が見えてきます。
自分が向かっていく方向が見えれば、行動することができるはずです。
ガミガミ言うのは、子どもの否定から入る行為です。子どもを認めるという、子どもの肯定することを入り口とすれば、きっと子どもの力はぐんぐん引き出されることと思います。
記事執筆
KEAプログラムコーディネーター
江藤真規
https://saita-coordination.com/株式会社サイタコーディネーション代表取締役
(サイタコーチングスクール主宰)
博士(教育学)
アカデミックコーチング学会理事
公益財団法人民際センター評議員
一般財団法人教育振興財団理事
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