教育コラム 幼少期にこそつくりたい「言葉の習慣」

教育コラム

こんにちは!KEA at home 事務局です。

この度、国際都市神戸でInternational Preschool として実績のある、Kobe English Academyを母体として、KEAのオンラインスクール”KEA at home”をスタートすることに致しました。場所や時間に制限されることなく、子ども達が学べる環境を提供することを目的に、日本各地だけではなく、アジア、世界の中で、第二言語として英語を学ぶ子ども達がクラスメイトとなるようなスクールを目指しています。
KEA at homeのコラムでは、子ども達が伸びる声かけや、子育てに役立つ情報などをご紹介していきます。

さて、今回は、教育コラム 『幼少期にこそつくりたい「言葉の習慣」』です。

KEAのペアレンティング講座でお世話になっている江藤真規先生のコラムです。

 

こちらのブログは、KEA でご紹介したものになります。

(https://kobe-english-academy.com/kobe-english-academy/custum/)

教育コラム 幼少期にこそつくりたい「言葉の習慣」

過渡期に求められる親のマインド

過渡期に求められる親のマインド社会は急速に変化し、教育にも、驚くほどの変化が起きています。

小学生からの英語教育に始まり、プログラミング、探求学習等、子ども達の学びの幅は大きく広がりました。

クラスの風景も、かつての風景と様変わりしています。

机の並び方は、「皆が前を」から「ロの字」「コの字」や「島型」になり、黒板にチョークは、タブレットに置き換わりつつあります。

主体的、対話的で深い学びが重視され、「正解を問う」問題から「最適解」を考える問題へ。

教科書のデジタル化の本格導入も、すぐそこに迫ってきています。

子ども達の学びは、今後さらに変化することでしょう。

このような時代に、にはどのようなマインドが求められるのでしょうか。

変わらぬものも大切にしつつ、新しきを上手に取り入れていくということ。

つまり、いかなる時代においても変わらぬ子育ての本質を大切にしつつ、その上で変化に対する柔軟性を持っていくことが大切です。

 

これからの教育に不可欠な「言葉」

さて、新しい時代には、子ども達に求められる力にも、変化が起きています。

記憶したことをテストで評価、というスタイルだけでなく、自ら考え、自ら表現する力が問われるようになってきています。

「考える」ためには知識や情報を自分なりの知恵にすることが必要です。

「言葉」の存在は不可欠です。

当然、「表現する」にも、言葉はなくてはなりません。

今まで以上に「言葉」の重要性が増しているとも言えるでしょう。

 

「言葉」から遠ざかる子どもたち

ところが、実際には、子どもたちは「言葉」から遠ざかっているように見受けられます。

例えば、子どもが話をするためには、「聴く人」が必要ですが、地域社会とのつながりが希薄となり、共働きも主流となった今、子どもの周りにいる「人」の数は明らかに減少してきています。

また、家庭においてもSNS等で外部とつながっている生活では、子どもの話を聴く余裕が、「人」からなくなりつつあると感じます。

Aiを使った対話型サービスの台頭が、ますます子ども達の生活から「言葉」を遠ざけていくかもしれません。

特に「話す・聴く」機会減少するでしょう。

地域の「人」に囲まれ、「話す・聴く」が日常に埋め込まれていた、言うなら豊かな言語環境が保障されていた過去の時代とは全く異なる世界に、今どきの子ども達は生きています。

 

言葉のメリット

言葉を知っていること、そして言葉を豊かに使えることメリットを考えてみましょう。

まず、言葉を知っていれば、理論的に道筋を立てて考えることができます。

思考するには「言葉」が必要です。

また、言葉があるからこそ、アイディアが沸き起こってきます。

そして、言葉があれば、自分の思いや考えを、他者に伝えることができるようになります。

相手の気持ちを知ること、相手と心を通わせることもできるようになります。

周囲とつながることで、人生は豊かになります。

人は一人では生きていけません。

こう考えてみると、家庭で「言葉の習慣」を作っていくことが、いかに重要かがわかります。

家庭で、豊かな言語環境をつくるということです。

子どもが、「言葉を習得する楽しさ」を知る、「言葉を使う喜び」を知る機会を、家庭でつくっていきましょう。

子どもは、もっと言葉を使いたくなり、他者とのコミュニケーションを楽しむことができるようになるでしょう。

他者と共通理解や共感しあう経験が増え、より主体的に、より自分らしくいられるようになるのではないでしょうか。

「言葉の習慣」は、子どもの世界を豊かにします。

 

言葉の習慣は家庭でつくる

皆さんは、家庭に応じて言葉数には違いがあることをご存知ですか。

実は、家庭に応じて子どもへの言葉かけの量には大きな違いがあるということです。

こんな研究結果が示されています。

• 口数の多い親が1時間に平均で2,100語を語りかけたのに対し、逆に口数の少ない親は1時間に平均600語の語りかけであった。
• 生後30カ月間の合計では、前者の親に育てられた子どもは平均で4,800万語を語りかけられたのに対し、後者の環境で育った子どもは、1,300万語しか語りかけられなかったことに…つまり、そこには3,000万語の差があった。
• 言葉の発達が早く、幼稚園入学時に言語能力が高かった子どもは小学校での成績が高かったという調査結果が出ている。
参考:ダナ・サスキンド(2018).3000万語の格差ー赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者

ここでお伝えしたいのは、成績と関係があるから、言葉が重要という考え方ではありません。

言葉というのは、意識しなければなかなか利用できないということ、その意識に応じて、こんなにも子どもの世界にある言葉数が異なるということです。

「言葉の習慣」は、家庭でつくられます。

特に言葉の爆発期とも言われる時期は、とても重要な時期です。

是非とも、意識的に「言葉の習慣」を整えていっていただきたいと思います。

 

「言葉の量」を増やす取り組み

では、具体的には、どのようにすれば日常的に「言葉の量」を増やすことができるのでしょうか。

日常会話(親子対話)の量を増やすには、子どもに「質問」をするのがおすすめです。

指示命令をするだけでなく、子どもに質問をしてみましょう。

人は質問されることで、自分なりの答えを考え始めます。

知っている言葉をつなげて、つなげて、一生懸命考えるのです。

聞いたことがある言葉を使ってみたりもします。

わからない時には「何て言うの?」と聞いてきます。

言ってみて、相手に伝わらなかったら、言い換えてもみます。

使える言葉がぐんぐん広がっていくでしょう。

質問で、圧倒的に利用する言葉数が増えるということです。

また、多様な経験をさせること外部から知識を得ることも言葉数の増加に繋がります。

経験が変われば、使う言葉が変わります。

例えば、自然の中で非日常の体験をすれば、いつもは使わない言葉を使うことができるでしょう。

子どもの言葉のレパートリーが広がります。

もちろん本の読み聞かせを通しても、言葉数はぐんと膨らみます。

 

親の言葉も増やしていこう!

子どものみならず、親御さんの「言葉の習慣」も整えてみませんか?

子どもへの言葉かけが豊かになるのはもちろんのこと、自分の思考の整理、イライラからの開放にも役立ちます。

例えば、イライラしている時に、自分の状況を言語化してみます。

「私がイライラしてしまうのはなぜだろう?」と考えていきます。

すると、「子どもが悪いのではなく、時間に追われているからだな」等、原因がみつかるかもしれません。

モヤモヤした思考は、言葉を使うことで整理されるのです。

不安や焦りが軽減されるかもしれません。

また、「今日は疲れていたから、子どもとあまり遊べなかったな。夜はよく寝て、明日、沢山遊ぼう!」と、言葉を利用することで、気持ちを前向きに動かすこともできそうです。

言葉の習慣で、ますます楽しい子育てに向かってください。

記事執筆 
KEAプログラムコーディネーター
江藤真規

https://saita-coordination.com/

株式会社サイタコーディネーション代表取締役
(サイタコーチングスクール主宰)
博士(教育学)
アカデミックコーチング学会理事

公益財団法人民際センター評議員
一般財団法人教育振興財団理事

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